Pacific Crest Trail

　アメリカのロングトレイルPCTに私が挑戦したのは2009年のこと。初めてのアメリカ、初めてのロングトレイル、初めての砂漠、初めての4000メートル峰、総延長4260kmメキシコからカナダまで。英語なんて話せないし、現地に知り合いもいない。頭で考えていたら何もかも無謀で不可能な挑戦に思えてくる。しかし一度決めたら悩んでいてもしょうがない、見切り発車で思い切って飛び込んだ。

　PCTにあるのは「トレイル」だけではない。そこには目的を同じくする仲間たちがいて、またトレイルを維持しハイカーをサポートしてくれる人々がいる。結果的には、PCTは私を温かく迎え入れてくれ、むしろ想像以上に心地の良いところですらあった。PCTはトレイル以上のトレイル、ひとつの文化である。

Pacific Crest National Scenic Trail

　正式名称はパシフィック・クレスト・ナショナル・シーニック・トレイル。その名の通り、西海岸沿いの山脈（シエラネバダ山脈、カスケード山脈）の景勝地（シーニック）を巡るトレイルである。メキシコ国境からカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州を貫きカナダ国境まで総延長4260km。通称「A Trail of Extremes」。砂漠からアルパイン・ツンドラまで変化に富んだ自然環境は厳しくも美しく、ハイカーは飽かされることがない。またトレイル管理やサポートの点でもとても充実していて、自然の奥深さと文明のサポート、この二つの絶妙なバランスがPCTのひとつの魅力でもある。

　毎年のスルーハイキング挑戦者は約300人、そのうち全行程踏破できるのは約6割と言われている。カナダ国境側から南下するスルーハイカーは極少数で、大半が南端メキシコ国境からスタートしてカナダ国境を目指す北上ルート（North Bound）である。

　申し訳ありません以下未完成です。参考のため旧ページに書いたものを残しておきます。 >>PCTの日記