PCTの終わりが近い。一歩一歩大切に歩く。
景色は相変わらず素晴らしい。
先行するハイカーTuna Helperからのメッセージ。「笑って!(ゴールは)もうすぐそこ!」
カナダまであと35マイル。
ワシントン州後半は曇りがちの日が多い。
最終日9月6日は雪。
PCT最北端の碑と記念撮影。
鬱蒼とした樹林帯を抜けると不意にPCTの碑[2655.4]が目に飛び込んでくる。「えっ!ゴール!?」。距離から考えて今日中に到着することは分かっていたのだが、やはり理解するのに数秒かかる。 国境にあるのは東西に伸びる樹林の切り分けと二つの碑。1つはアメリカ・カナダの国境を示すもの(写真右)、もう1つはPCT最北端を示すもの(写真中央)である。メキシコ国境にあったものと同じデザインで初対面ながらも懐かしいPCTの碑を手で触って確かめる。 自分の胸にあったのは目的を達成した嬉しさと同時に、素晴らしい夢から目を覚まされた時のような寂しさ。「夢ならば覚めないで。」この感情は多くのスルーハイカーに共通するのではないだろうか。しかしトレイルは終わってしまう。さあ、これから自分はどこへ向かうのだろうか。